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量子競争マップ続編 6続編 7 · 更新 2026.09.15

幅・深さ・速さは、どう伸びるのか。
方式ごとに、伸ばす機械が違う。IonQ に賭けるなら、公称論理数ではなく、その機械が回るかを見る。

図を上から追うだけで骨格が通るように書いた。イオンは低負担の幅を処理量へ変える。超伝導は速い局所を広い系でも維持する。中性原子は大きな配列と少ない手数を、止まらない計算へ変える。光は全系の低損失 FT が成立したあと、供給と接続で伸ばす。2030 年は届ける競争、2035 年は同じ仕事の時間と費用、2040 年は増設しても破綻しない設計。7 章 24 セクション・24 枚の図。

投資助言ではありません。2026.09.15 の整理。確認済み/公式目標/サイト見立て/未確認に分けています。ロードマップの数値は各社の目標であり、実測ではありません。2030 年の倍率や株価は付けません。

幅・深さ・速さは、別の機械。サイト見立て三つのレバー

分析判断。各方式の出発点の強みは残す。完成した計算機の万能ランキングではない。

THREE LEVERS幅・深さ・速さは、別の機械

目次

7章 · 24セクション初見なら、この12枚だけで骨格が通る

伸ばす前に、物差しを揃える

  1. 三つのレバー★幅・深さ・速さは別の機械
  2. 四つの時計★物理ゲートが速い ≠ 答えが速い
  3. 残る差/縮む差★工程揃えで千倍、工程削減で十倍台
  4. いちばん遅い制約段数・工場・遠隔の max
  5. データと工場同じ 110 論理でも配分で 10 倍
  6. 深さの予算幅と深さを同時に増やすと要求が上がる

イオンは、低負担の幅を処理量へ変える

  1. イオンの機械★ゾーン・搬送・電子制御・工場
  2. IonQ の梯子★256 → 10K → 8 万。空欄を埋めるな
  3. 工場で 10 倍幅を確保することと、忙しく働かせることは別
  4. Quantinuum を先に少ない論理でも、棄却なしの品質で受注できる

超伝導は、速い局所を広い系でも維持する

  1. 超伝導の機械★チップレット・モジュール・低温接続
  2. 1.1 µs の意味訂正周期 ≠ 普遍論理ゲート毎秒
  3. 足りる仕事200〜2,000 論理で取れる売上を追う

中性原子は、大きな配列を止まらない計算へ変える

  1. 中性原子の機械★配列・ゾーン・横断・補充
  2. 三つの時間QEC・横断 CNOT・テレポートは別
  3. 初期からの幅2028 年 256、次世代 1,000 超

光は、供給・測定・接続で組む

  1. 光の機械★工場・多重化・融合・接続
  2. 融合して前へ光子が最後まで生き残る設計ではない

つなぐと、幅は無料では増えない

  1. 三つの並列ジョブ数・工場・一つの状態は別
  2. 遠隔の税1% でも、遅いリンクなら約 2 倍

2030・2035・2040 — 伸びた先で何が残るか

  1. 同じ年表★目標。品質・補助の計上は揃っていない
  2. どのくらい伸びるか★公式目標と、読めない空欄を分ける
  3. 三つの時点★届ける → 速く安く → 増設しても破綻しない
  4. 観測表★幅・速さ・深さ・接続・経済
主張する
別の機械。同じ問題で比べる。IonQ は幅を処理量へ。
主張しない
固定分担ではない。物理時間の比を完成機にしない。精密確率は付けない。
まだ未確認
統合機の論理データ。同条件のジョブ時間。全系 FT。原価。

第1章

伸ばす前に、物差しを揃える

量子ビットを増やせば、答えも速く、計算も深くなるのか。

幅・深さ・速さは別の機械。速さの時計は四つ。工程を揃えると差は残り、工程を減らすと縮みうる。所要時間はいちばん遅い制約。データ幅と工場は別口座。深さは誤り予算。

01三つのレバー

サイト見立て

量子コンピュータの競争は、『イオンは幅、超伝導は速度、光は全部』という固定した役割分担ではない。同じ確実さで、同じ問題を処理するときの、使える幅・工程の時間・補助資源の供給の組合せで決まる。

分析判断。各方式の出発点の強みは残す。完成した計算機の万能ランキングではない。

幅・深さ・速さは、別の機械。サイト見立て三つのレバー

分析判断。各方式の出発点の強みは残す。完成した計算機の万能ランキングではない。

02四つの時計

確認済み

物理ゲート時間、QEC 周期、論理命令の遅延、ジョブ完了時間は、別の時計である。裸の操作が速いことと、保護された計算が速いことは別。

226 µs と 60 ns の比は約 3,800 倍だが、これは裸の物理操作の例の比。Rigetti が IonQ より計算を 3,800 倍速く終える証拠ではない。

続編 1 · 幅・深さ・速さ・コスト
物理ゲートが速い ≠ 答えが速い。確認済み四つの時計

226 µs と 60 ns の比は約 3,800 倍だが、これは裸の物理操作の例の比。Rigetti が IonQ より計算を 3,800 倍速く終える証拠ではない。

03残る差/縮む差

サイト見立て

工程をそろえると時計の差は残る。工程そのものを減らすと差は縮み得る。どちらからも『2030 年の IonQ と IBM の差は何倍』と固定することはできない。

Beverland らの 2022 年の共通モデルは教材であり、現在の IonQ や IBM の性能予測ではない。QuEra 関連研究の 4 ms は、その深い論理計算で達成済みの数字ではない。

Beverland et al. arXiv:2211.07629
工程をそろえると差は残る。工程を減らすと縮み得る。サイト見立て残る差/縮む差

Beverland らの 2022 年の共通モデルは教材であり、現在の IonQ や IBM の性能予測ではない。QuEra 関連研究の 4 ms は、その深い論理計算で達成済みの数字ではない。

04いちばん遅い制約

サイト見立て

実行時間は、少なくとも max(依存する工程を順番に実行する時間、必要な補助資源÷供給率、混雑する通信の必要量÷供給率)で下から抑えられる。量子ビットを増やすだけでは、順番待ちは消えない。

十分な重ね合わせ実行ができる場合の下限。全機共通の正確な性能式ではない。準備・復号・読み出し・再実行を加える。

Walking Cat arXiv:2604.19481
所要時間は、いちばん遅い制約。サイト見立ていちばん遅い制約

十分な重ね合わせ実行ができる場合の下限。全機共通の正確な性能式ではない。準備・復号・読み出し・再実行を加える。

05データと工場

サイト見立て

大きな幅を得ることと、大きな幅を忙しく働かせることは、別の資源配分問題である。Walking Cat の設計例では、同じ 110 データ論理でも、工場へ回す装置で T 供給は約 10 倍違う。

設計上の特定手順の集計。実機の達成値ではない。数千物理ビットの例を、将来の 200 万物理ビット機の総処理量として延長しない。

Walking Cat の記事
幅を確保することと、忙しく働かせることは別。サイト見立てデータと工場

設計上の特定手順の集計。実機の達成値ではない。数千物理ビットの例を、将来の 200 万物理ビット機の総処理量として延長しない。

06深さの予算

サイト見立て

深さは『長寿命な物理ビット』だけでは決まらない。幅と深さを同時に増やすと、信頼性への要求は上がる。深く正確な計算ほど、符号を大きくする物理資源と時間との交換が生じる。

成功確率 ≈ exp(−Np) は桁を読む教材。会社の製品仕様を評価する式ではない。実機では操作別・待機・相関誤りを含むモデルへ置き換える。

幅と深さを同時に増やすと、信頼性の要求が上がる。サイト見立て深さの予算

成功確率 ≈ exp(−Np) は桁を読む教材。会社の製品仕様を評価する式ではない。実機では操作別・待機・相関誤りを含むモデルへ置き換える。

第2章

イオンは、低負担の幅を処理量へ変える

IonQ は、幅・深さ・速さをどう伸ばすのか。

一列にイオンを並べるだけではない。多ゾーン・搬送・電子制御・CMOS・工場。電子制御はレーザー不要ではない。高精度×接続×冷却を独立に掛けない。Quantinuum は同じイオンで、少ない幅の品質競争。

07イオンの機械

サイト見立て

イオンは、低負担の論理幅を並列の実用処理へ変える。幅は多ゾーンと搬送と集積制御。速さは電子制御で冷却・輸送の負担を減らす方向。深さは漏れ・損失を処理しながら棄却なしで続けること。

電子制御ゲートは、先行 QCCD の輸送・冷却負担を基に回路時間の 1 桁超改善の余地を述べる。『Superion の 98〜99% が無駄』『冷却が完全不要』という実測ではない。ナノ秒級の大量並列ゲートを投資の前提に置く証拠はない。

電子制御ゲート arXiv:2510.17286
イオンは、低負担の幅を処理量へ変える。サイト見立てイオンの機械

電子制御ゲートは、先行 QCCD の輸送・冷却負担を基に回路時間の 1 桁超改善の余地を述べる。『Superion の 98〜99% が無駄』『冷却が完全不要』という実測ではない。ナノ秒級の大量並列ゲートを投資の前提に置く証拠はない。

08IonQ の梯子

公式目標

IonQ の公式目標は、2027 年 800、2028 年 1,600、2029 年 8,000、2030 年 80,000 論理。2030 年の物理数は 200 万。公称数だけから、同条件のデータ幅・全命令の遅延・持続 T 処理量は確定できない。

2026 年 9 月 8 日の Superion 発表が確認するのは、256 向けチップの製造と最初のイオン捕獲。全 256 ビットの FT 性能の実証ではない。10K は Walking Cat を動かす最初の世代とされる。『Logical error state』を他社の論理ゲート誤りへ無条件に読み替えない。

IonQ Quantum Computing Roadmap
80,000 論理は会社目標。空欄を埋めるな。公式目標IonQ の梯子

2026 年 9 月 8 日の Superion 発表が確認するのは、256 向けチップの製造と最初のイオン捕獲。全 256 ビットの FT 性能の実証ではない。10K は Walking Cat を動かす最初の世代とされる。『Logical error state』を他社の論理ゲート誤りへ無条件に読み替えない。

09工場で 10 倍

サイト見立て

同じ 110 データ論理について、物理 2,514 で 100 万 T/日、物理 5,475 で 1,050 万 T/日。物理資源約 2.2 倍で処理量 10.5 倍、データ幅は同じ、という設計例である。

1 億 T の供給時間下限は、それぞれ 100 日と約 9.5 日。実際は依存関係でさらに長くなる場合がある。順番待ちの工程は工場では消せない。

Walking Cat Tables 1, 5–8, 11
同じ110論理でも、工場配分で供給は約10倍。サイト見立て工場で 10 倍

1 億 T の供給時間下限は、それぞれ 100 日と約 9.5 日。実際は依存関係でさらに長くなる場合がある。順番待ちの工程は工場では消せない。

10Quantinuum を先に

確認済み

同じイオンでも、IonQ が利益を独占するわけではない。Quantinuum の C4-Helix は、棄却なしで反復 QEC と論理 Clifford を報告している。Sol は 2027 年約 100 論理、Apollo は 2029 年数百論理。

少数ビットの実験であり、大規模 FTQC の完成ではない。少ない公称数でも、対象顧客の問題が収まり、品質・時間・価格で勝てば受注できる。2035 年の光より先に、同じイオンを点検する。

Helix プレプリント arXiv:2609.03194
同じイオンでも、少ない論理の品質で受注できる。確認済みQuantinuum を先に

少数ビットの実験であり、大規模 FTQC の完成ではない。少ない公称数でも、対象顧客の問題が収まり、品質・時間・価格で勝てば受注できる。2035 年の光より先に、同じイオンを点検する。

第3章

超伝導は、速い局所を広い系でも維持する

ゲートが数千倍速ければ、計算も数千倍速いのか。

短い訂正周期の証拠は強い。幅はチップレットとモジュールと冷却セルで伸ばす。境界・接続口・復号が遅いと待つ。Willow の 1.1 µs を IBM の将来論理命令に流用しない。問いは『いつ 8 万論理か』ではない。

11超伝導の機械

サイト見立て

超伝導は、速い局所処理を広いシステムでも維持できるかが勝負である。幅はチップレット・モジュール・複数冷却セル。速さは局所ゲートだけでなく境界と接続口。深さは長い運転中も品質を保つこと。

別の冷凍機へ移るたびにマイクロ波と光の変換が必須になるわけではない。IBM は低温トンネル内のケーブルで隣接冷却セルを結ぶ設計を公表し、2026 年 8 月に 2 セルの連結運転を報告した。光変換は特に長距離・室温光ファイバーの課題。

IBM — モジュール低温(2026.08.19)
超伝導は、速い局所を広い系でも維持できるかが勝負。サイト見立て超伝導の機械

別の冷凍機へ移るたびにマイクロ波と光の変換が必須になるわけではない。IBM は低温トンネル内のケーブルで隣接冷却セルを結ぶ設計を公表し、2026 年 8 月に 2 セルの連結運転を報告した。光変換は特に長距離・室温光ファイバーの課題。

121.1 µs の意味

確認済み

Google Willow の QEC 周期 1.1 µs は、高速な反復訂正の実験証拠である。毎秒約 90 万回の任意の普遍論理演算を保証しない。復号の平均遅延 63 µs は、訂正周期そのものが 63 µs に落ちる意味でもない。

原子系の公開された QEC 周期例(数 ms)に対し、約 4,000〜6,000 倍短い。符号・物理品質・目標論理誤り・実験と設計が異なるため、比率は桁感を示すだけ。Google の高速 QEC を IBM の将来 qLDPC 命令時間として流用しない。

Nature — Willow below threshold
1.1 µs は訂正周期。普遍論理ゲート毎秒ではない。確認済み1.1 µs の意味

原子系の公開された QEC 周期例(数 ms)に対し、約 4,000〜6,000 倍短い。符号・物理品質・目標論理誤り・実験と設計が異なるため、比率は桁感を示すだけ。Google の高速 QEC を IBM の将来 qLDPC 命令時間として流用しない。

13足りる仕事

公式目標

超伝導と比較する本当の問いは、『いつ 8 万論理まで追いつくか』だけではない。200〜2,000 論理で足りる仕事を、高速機がどれだけ取れるかである。

IBM の会社目標は、Starling 2029 年 200 論理・1 億総ゲート、Blue Jay 2033 年以降 2,000 論理・10 億総ゲート。総ゲート数は深さそのものではない。全ての演算を一定秒数で終える仕様でもない。

IBM Quantum Roadmap
問いは『いつ8万か』ではない。載る仕事を速く取れるか。公式目標足りる仕事

IBM の会社目標は、Starling 2029 年 200 論理・1 億総ゲート、Blue Jay 2033 年以降 2,000 論理・10 億総ゲート。総ゲート数は深さそのものではない。全ての演算を一定秒数で終える仕様でもない。

第4章

中性原子は、大きな配列を止まらない計算へ変える

原子がたくさん並ぶなら、もう幅は足りているのか。

捕まえた原子の数は、使えるデータ論理数ではない。横断演算は周期が遅くても工程を減らせる。測定・再配置・補充が実効速度を決める。QuEra は初期からの幅の競合。深い計算の観測点は、原子を補いながらの連続運転。

14中性原子の機械

サイト見立て

中性原子は、大量配列を止まらない並列計算機へ変える。幅は配列と領域分離と補充。速さは横断演算と配置変更で手数を減らすこと。深さは原子を失っても保護を続けること。

高速な少数ビット方式として超伝導と同じ箱に入れるのは適切でない。『どこへでも動かせる』は『どこへでも無料で一瞬に動かせる』ではない。校正済み経路は、移動回数が増えても再現性と品質を得る交換条件。

Nature — 中性原子 FT アーキテクチャ
中性原子は、大きな配列を止まらない計算へ変える。サイト見立て中性原子の機械

高速な少数ビット方式として超伝導と同じ箱に入れるのは適切でない。『どこへでも動かせる』は『どこへでも無料で一瞬に動かせる』ではない。校正済み経路は、移動回数が増えても再現性と品質を得る交換条件。

15三つの時間

確認済み

QuEra 関連の Nature 研究では、QEC の 1 巡 4.45 ms、横断 CNOT の平均 0.655 ms、論理テレポーテーション層 41.9 ms。同じ『1 ゲート』の三つの測定値ではない。

横断演算は、対応する原子へ一斉に操作し、論理演算の手数を減らす考え方。1 巡が遅くても、必要な工程数を減らせれば全体の差を縮められる。物理パルスが 270 ns でも、測定・再配置が遅ければ全体は待つ。

Nature Methods: Processor clock speed
QEC・横断CNOT・テレポートは、同じ1ゲートではない。確認済み三つの時間

横断演算は、対応する原子へ一斉に操作し、論理演算の手数を減らす考え方。1 巡が遅くても、必要な工程数を減らせれば全体の差を縮められる。物理パルスが 270 ns でも、測定・再配置が遅ければ全体は待つ。

16初期からの幅

公式目標

中性原子を『イオンより後に来る高速な少数ビット』とまとめるのは適切ではない。QuEra は 2028 年 256 論理(Libra)、2028/29 年 1,000 超論理とする目標を公表している。

IonQ の 800〜1,600 論理の目標期と近く、初期から幅の競争が起きる可能性がある。両社の論理数は同一品質・同一補助込みではない。Atom Computing は計算中に失った原子を補いながら反復訂正する運転を調べている。

QuEra Libra 発表(2026.06.15)
中性原子は、次の時代ではなく初期からの幅の競合。公式目標初期からの幅

IonQ の 800〜1,600 論理の目標期と近く、初期から幅の競争が起きる可能性がある。両社の論理数は同一品質・同一補助込みではない。Atom Computing は計算中に失った原子を補いながら反復訂正する運転を調べている。

第5章

光は、供給・測定・接続で組む

光子が速く、量産できるなら、全部勝つのか。

光子の移動速度と計算の速さは別。時間モードの総数はデータ用メモリーではない。同じ光子が最後まで生き残る必要はない。全系の低損失 FT が成立した後に、規模と処理量の余地が開く。今の公開資料から同条件の論理クロックは置けない。

17光の機械

確認済み

光は、幅と時間を光源・資源状態工場・測定・接続で組む。時間方向に生成した総モード数と、同時に保持し処理する論理幅は別である。1 MHz の物理モードは、100 万論理ゲート毎秒の実証ではない。

PsiQuantum は単一光子・fusion-based と商用製造。Xanadu は GKP と qLDPC。どちらも部品の高忠実度や量産工程が、そのまま全系の FT 演算を証明するものではない。PsiQuantum の主要な忠実度指標は光子損失を除いている。

続編 4 · フォトニック量子コンピュータ
光子が速い ≠ 保護された計算が速い。確認済み光の機械

PsiQuantum は単一光子・fusion-based と商用製造。Xanadu は GKP と qLDPC。どちらも部品の高忠実度や量産工程が、そのまま全系の FT 演算を証明するものではない。PsiQuantum の主要な忠実度指標は光子損失を除いている。

18融合して前へ

サイト見立て

一つの光子を 100 万個のゲートに通し続ける設計とは限らない。fusion-based 方式などでは、新しい小さな資源状態を供給し、測定・訂正しながら量子情報を前へ受け渡す。

『同じ光子が最後まで生き残る確率』を損失率の累乗で計算して全体の限界とするのは誤り。一方、各段階の損失が閾値内に収まること、高品質な入力状態、検出器・制御の費用は不可欠。現時点の公開資料から『2035 年に何万論理を何 MHz で動かす』と同条件の数値は作れない。

Fusion-based QC(Nature Communications)
同じ光子が最後まで生き残る必要はない。サイト見立て融合して前へ

『同じ光子が最後まで生き残る確率』を損失率の累乗で計算して全体の限界とするのは誤り。一方、各段階の損失が閾値内に収まること、高品質な入力状態、検出器・制御の費用は不可欠。現時点の公開資料から『2035 年に何万論理を何 MHz で動かす』と同条件の数値は作れない。

第6章

つなぐと、幅は無料では増えない

QPU を 100 台つなぐと、幅は 100 倍になるのか。

独立ジョブの並列、工場の並列、一つの量子状態をまたぐ遠隔操作は別。遠隔が逐次経路の 1% でも、遅いリンクなら全体は約 2 倍になり得る。配置の賢さが、速さの残り方を決める。

19三つの並列

サイト見立て

独立した QPU へ別々の仕事を配ること、一つの計算内で工場を並列化すること、QPU 間で量子状態を共有して遠隔論理操作することは、別の並列化である。

普通の LAN で 100 台つないだだけでは、1 台のデータ論理幅は 100 倍にならない。3 番目には、もつれの供給、整形、論理操作、復号、同期、待ち時間が入る。

Distributed QC across an optical link
100台つないでも、幅は100倍にならない。サイト見立て三つの並列

普通の LAN で 100 台つないだだけでは、1 台のデータ論理幅は 100 倍にならない。3 番目には、もつれの供給、整形、論理操作、復号、同期、待ち時間が入る。

20遠隔の税

サイト見立て

わずかな遠隔操作でも、逐次経路を遅くし得る。説明モデルでは、ローカル 0.1 ms・遠隔 10 ms なら、逐次経路の 1% が遠隔になるだけで平均時間は約 2 倍。

企業仕様ではない教材。独立した遠隔資源を前もって作れば一部を隠せるが、使いたい接続が混雑すればさらに待つ。良い質問は『何台つながったか』ではなく、遠隔論理の遅延・同時リンク数・訂正後もつれの毎秒供給量・混雑・接続に割く物理資源。

遠隔が1%でも、遅いリンクなら約2倍。サイト見立て遠隔の税

企業仕様ではない教材。独立した遠隔資源を前もって作れば一部を隠せるが、使いたい接続が混雑すればさらに待つ。良い質問は『何台つながったか』ではなく、遠隔論理の遅延・同時リンク数・訂正後もつれの毎秒供給量・混雑・接続に割く物理資源。

第7章

2030・2035・2040 — 伸びた先で何が残るか

IonQ に賭けるなら、何年に何を見るのか。

公表目標を同じ年表に置くが、個数順ランキングにはしない。2030 年は届ける。2035 年は同じ仕事の時間と費用。2040 年は増設しても破綻しない設計。実効スケールは公称数ではなく、データ幅・動かす速さ・成功率・費用。年ではなく証拠で更新する。

21同じ年表

公式目標

公表された将来目標を同じ年表に置く。達成済みの性能ではない。論理量子ビットの品質、演算の種類、補助領域の計上方法は統一されていない。空欄を推測で補わない。

IonQ の 2030 目標は公称で 25 物理/論理。これが任意の処理量と品質で使えるデータ用ビットの比かどうかは、装置の全資源割当が必要。現在の小型構成の比率を 200 万物理へ延長しない。公称数の倍率を科学力・企業価値の倍率にしない。

IonQ Roadmap
目標を同じ年表に置く。個数順ランキングにはしない。公式目標同じ年表

IonQ の 2030 目標は公称で 25 物理/論理。これが任意の処理量と品質で使えるデータ用ビットの比かどうかは、装置の全資源割当が必要。現在の小型構成の比率を 200 万物理へ延長しない。公称数の倍率を科学力・企業価値の倍率にしない。

22どのくらい伸びるか

サイト見立て

今の数字から確実に読み取れるのは、それぞれの出発点と残る制約であり、2035 年の万能な速度ランキングではない。実効スケールは、同じ問題・同じ許容誤差・同じ成功率でのデータ幅・最後までの時間・成功した答えの費用である。

統計的な到達確率ではない。IonQ の 2030 年 80,000 論理や、光の短期間での低損失・高品質化は大きな統合飛躍を伴う。達成を保証するか、全く非現実的と決めるかの二択にしない。

読めるのは出発点と制約。2035年の速度ランキングではない。サイト見立てどのくらい伸びるか

統計的な到達確率ではない。IonQ の 2030 年 80,000 論理や、光の短期間での低損失・高品質化は大きな統合飛躍を伴う。達成を保証するか、全く非現実的と決めるかの二択にしない。

23三つの時点

サイト見立て

2030 年は最初の有用 FT を全体として完成させる競争。2035 年は幅が足りる仕事で時間と費用の比較が厳しくなる。2040 年は増設するほど安く速く使えるか。

複数方式を古典側のソフトウェアで使い分ける計算基盤は、合理的な中心シナリオ。異なる方式の QPU を常時一つの巨大な量子状態として高速に協調させる構想は、別の挑戦。『異種 QPU を同じデータセンターに置く』ことから自動的には進まない。

届ける → 速く安く解く → 増設しても破綻しない。サイト見立て三つの時点

複数方式を古典側のソフトウェアで使い分ける計算基盤は、合理的な中心シナリオ。異なる方式の QPU を常時一つの巨大な量子状態として高速に協調させる構想は、別の挑戦。『異種 QPU を同じデータセンターに置く』ことから自動的には進まない。

24観測表

サイト見立て

IonQ に賭ける合理的な理由は、ナノ秒級ゲートへの突然の変身ではなく、精度・制御・製造・資源配分を組み合わせ、早期の実用幅と高い処理量を作れる可能性である。

技術比較だけで現在の株価や適正保有比率は決まらない。『速い方式があるから IonQ の長期投資は必ず間違い』も、『論理数が最多だから長期で必ず勝つ』も、どちらも適切ではない。

続編 5 · IonQ の競争力
ナノ秒級への変身ではなく、幅を処理量へ変えられるか。サイト見立て観測表

技術比較だけで現在の株価や適正保有比率は決まらない。『速い方式があるから IonQ の長期投資は必ず間違い』も、『論理数が最多だから長期で必ず勝つ』も、どちらも適切ではない。

—14 の結論

サイト見立て

幅・深さ・速さは、方式ごとに別の機械で伸びる。IonQ に賭けるなら、その機械が回るかを見る。

妥当な姿勢は『速い方式があるから見切る』ことでも『論理数が最多だから必ず勝つ』ことでもない。

  1. 競争は固定した役割分担ではない。同じ問題・同じ成功率での、幅・工程時間・補助供給の組合せ。
  2. 速さの時計は四つ。226 µs 対 60 ns は裸の物理操作の比。完成機の倍率ではない。
  3. 工程をそろえると差は残り(教材で約 1,400 倍)、工程を減らすと縮み得る(試算で 10〜20 倍)。2030 年の倍率は固定できない。
  4. 実行時間は段数・工場・遠隔のいちばん遅い制約。1 億段の算術は教材。順番待ちは量子ビットでは消えない。
  5. 同じ 110 論理でも、工場配分で T 供給は約 10 倍。幅を確保することと、忙しく働かせることは別。
  6. 深さは誤り予算。幅と深さを同時に増やすと要求が上がる。物理コヒーレンス時間内に全部終える必要はない。
  7. イオンは多ゾーン・搬送・電子制御・工場。掛け算禁止。Superion 製造 ≠ 256 の FT 計算。ナノ秒級への変身は前提にしない。
  8. IonQ の 2030 年 80,000 論理は会社目標。空欄はデータ幅・命令遅延・持続 T・稼働率。Quantinuum を同じイオンの最優先で点検する。
  9. 超伝導は短い訂正周期の証拠が強い。接続後に残る速度優位が勝負。問いは『いつ 8 万か』ではない。
  10. 中性原子は初期からの幅の競合。横断演算で手数を減らせる。観測点は補充を含む連続運転。
  11. 光は全系の低損失 FT が先。モード数 ≠ メモリー。同じ光子が最後まで生き残る必要はない。今は同条件の論理クロックを置かない。
  12. QPU を 100 台つなでも幅は無料では増えない。遠隔 1% でも遅いリンクなら約 2 倍になり得る教材。
  13. 2030 年は届ける。2035 年は時間と費用。2040 年は増設しても破綻しない設計。
  14. IonQ に賭ける理由は突然の高速化ではなく、精度・制御・製造・資源配分で早期の実用幅と処理量を作れる可能性。年ではなく証拠で更新する。

幅・深さ・速さは、方式ごとに別の機械で伸びる。覚えておく順番

イオンは幅を処理量へ変える。超伝導は速さを維持したまま幅を広げる。中性原子は大きな配列と少ない手数を、止まらない計算へ変える。光は低損失の論理計算を成立させ、その後の供給量と接続を伸ばす。本記事の中心命題

—主張の境界

主張する・主張しない・まだ未確認を、分けて書く。

ロードマップの数値は各社の目標。同条件の論理命令時間・ジョブ完了時間が全社分そろっているわけではない。

主張する
同じ問題・同じ成功率で、使えるデータ幅、最後までの時間、成功した答えの費用を比較する。各方式は幅・深さ・速さを別の機械で伸ばす。IonQ は早期の実用幅と処理量の有力候補。Quantinuum を同じイオンの最優先、IBM/Google を幅が足りる仕事の速度、QuEra を初期からの幅、光を全系 FT 実証後の転換点として監視する。
主張しない
イオン=幅、超伝導=速度、光=全部、という固定分担。226 µs 対 60 ns が完成機の倍率。2030 年の IonQ と IBM の差は何倍、という確定値。電子制御=レーザー不要。Superion 製造=256 の FT。高精度×接続×冷却の独立掛け算。モード数=データ幅。LAN でつなぐと幅が台数倍。精密な勝率や株価倍率。
まだ未確認
Superion 全 256 の低誤り普遍 FT。10K での実用データ幅と論理命令時間。Walking Cat の T/日を実機で達成すること。同じ問題・同じ精度・同じ成功確率での各社ジョブ完了時間。光の全系損失を含む FT 閾値突破。歩留まりと成功した仕事 1 件の原価。

—一次情報

本記事の数値・日付は、以下の公式発表・論文に基づく。

リンク先の内容が更新された場合は、本記事の記述より一次情報を優先してください。分析基準日は 2026 年 9 月 15 日。

編集方針

会社の目標は「信じる数字」ではなく「公開テスト」として使う。

測った量の意味を変えない。物理ゲート時間を完成機の速さにしない。IonQ に強気でも忠誠心は持たない。空欄を推定で埋めない。精密な成功確率は、母集団がない限り付けない。

編集方針・免責事項